ぐうぜんのきろく

好きな音楽とひとの話

空転軌道という人たちの話。

 

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空転軌道という、複数人でジャグリングをするパフォーマーがいる。基本的には3人組だが、日によって2人の時もあるようだ。

 

私が初めて見たのは、2018年の大道芸ワールドカップin静岡。2日目。その時の編成は、小林智裕、野中葵、鈴木仁。

 

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第一印象はスーツの圧のせいで、怖い人たち、と思っていた。ジャグリングがすごくて、怖い人たち。

 

とはいえ、観る前から好きになる予感がしていた。ひとりで、初めて大道芸ワールドカップin静岡に行った理由は、その予感を確かめたかったから。殆ど空転軌道を観るために、行ったようなものだった。そしてその予感は見事的中し、もうめちゃめちゃにはまった。

 

演目は、リングと、シガーボックスと、ディアボロ。あとメインのベルリング。ソロだったり、複数だったり。

 

仁さんのシガーボックスがとても面白かった。シガーボックス自体、横に3つ並べて持ってなんかする、ぐらいしか知識がなかったので、仁さんのシガーを見て、そうゆうのもできるんだ!と衝撃を受けた。後に、仁さんだから、できていたことを知る。

 

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その流れから複数人シガー。純粋に面白いなと思った。これが私が見た最初でありながら、最高に好きみたいなところがある。もう見れないんだろうか。

 

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葵さんのディアボロは技が大きくて、ゆったりしてて、美しくて、これもまた今まで見たことないタイプだったので非常に面白かった。

 

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お客さんにハンドベルを鳴らしてもらう演目。

 

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自ら鳴らす演目。

 

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あまりにも綺麗でちょっと涙出そうになった。

 

この日は、普通に道に迷ってどこへも行けなかったので、ずっとこのポイントに居た気がする。ずっと見ていた。そして仁さんから渡された赤いベルを鳴らし、ちんすこうと空転軌道ステッカーを貰った。笑った。

 

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3日目、4日目と足を運んだ。何度見ても面白さが続いた。ジャグリング、複数人、沢山の道具が飛んでて、わけわかんなくて面白かった。次第に各々の個性が見えてきて、面白さが倍以上になった。ちょけた小林さんと、すかしてる葵さん、手足の癖が独特な仁さん。それぞれの個性が響き合っていて、とても良かった。

 

次に見たのが、19年ヨコハマ大道芸。MARK IS みなとみらい内。編成は、小林智裕、野中葵、稲葉悠介。

 

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稲葉さんのシガーがとても凄かった。大変そうな技をしれっとした顔でやって、決まった後の笑顔が良かった。笑顔の爆散。複数人シガーは以前とは違う構成になってて(たぶん)、人によって違うのか、と感心した。これもまた面白かった。空転軌道は、演技中、基本的に喋らないのだが、なんとなく稲葉さんは喋りたそうな感じがあった。喋りたそうな稲葉さん。後に、稲葉さんが主宰してる劇団aubeの公演に行き、めっちゃ喋ってる稲葉さんを見て、喋ってる方がこの人らしいな、と思った。

 

黒スーツの圧が凄くて、やっぱり怖い人だと、その印象はまだ拭えずにいた。いつも誰か知らない人いるし。

 

その次が19年高円寺びっくり大道芸。編成は、小林智裕、結城敬介、野中葵。最近多く見る編成。

 

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結城さんが入ると、シガーボックスが淘汰されて、ボールが参入してきた。結城さんソロの無音時間を観、面白い人だなと思った。いくらか見た目とのギャップがあった。昭和スターみたいな結城さん。とはいえ空転軌道のシガーが好きになっていた当時の私は、ボールかぁ、と思ったのでした。今はめちゃめちゃ好きなんですが、当時は色々と私の頭が欠けていたようで。

 

次がイクスピアリ。同じ編成。


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イクスピアリって、場所も色も人もハッピーで良いですよね。

 

次が下市タウンフェスティバル。編成は小林智裕、野中葵。ここで初めて2人編成を見た。

 

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小林さんのソロの大道芸を、葵さんが邪魔してるような構成がとても面白かった。小林さんから取り上げたリングを、葵さんが高く上げるのがツボでしょうがなく、抗えない身長差にクソ笑った。構成が変わったり曲が変わったり、新鮮な気持ちで見ることができた。ベルリング、伸びる音も綺麗なことに気付いた。青いスーツ、かっこいいなぁ。

 

その次が再びイクスピアリ、今度は、小林智裕と結城敬介の2人編成。

 

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結城さんのディアボロが見れて嬉しかった。2人編成は、なんとなく探り探りな感じがして、それはそれで面白かった。色々とマイナーチェンジが多かった気がする。

 

そして19年アートタウンつくば。

 

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イクスピアリ。結城さんの青スーツがとてもかっこいい。


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池袋みんなの大道芸。


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2日目。リーダー小林さん不在、結城敬介と野中葵の2人編成。これがまた面白くて。


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残された部下たちが頑張ってる…!、みたいなドキドキ感があったんですが、普通にたくさん面白かった。少し前に、違う人たちを見て、コンビのディアボロってなんか良いなと思ってた時期だったので、空転軌道で観れたことが嬉しかった。この2人最高でしょ。

 

そして年が明け、20年ヘブンアーティストin渋谷。

 

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新しい演目がたくさん増えていた。個人的に、結城さんと葵さんペアのボールの演目がアツい。次点でシガーボックスのバランス、一番に上乗せようとして届かない小林さんと、片付けして前見えなくなる小林さん。ほんと自分の役割を分かってて、やってんだろうなこの人。策士。他にも色々な面白さがあったので、これはもう、是非、見に行って欲しいです。前からコメディだったけど、よりコメディ感が濃くなったというか、よりうるさくなった気がします。本人たちもお客さんたちも、たくさん笑うようになった。これについて、私は結城さんがキーパーソンだと睨んでいます。

 

そして直近では最後に見た、『音と空間のジャグリング』新宿こども劇場。

 

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空転軌道盛りだくさんで、めちゃめちゃ面白かったので、是非、単独公演お願いしますという感じだった。ここ最近過ごした1時間の中で、いちばん面白かった。小林さんソロ、ひとつのリングの時間が良かったし、3人で並んでリング動かしてたのも可愛くて面白かった。小林さんがじっとクリスタルを見つめた場面がなんか印象に残っている。光るディアボロ、光るリング、LEDリング、光る道具の目白押しでした。小林さんが真ん中で、両側を結城さんと葵さんで固めて、光るリング投げてた構図が綺麗すぎて、この度走馬灯入りしました。

 

とにかく空転軌道は面白いんですよ。ジャグリングが凄い"だけ"の団体じゃない。他のところも見てほしい。見てほしい大道芸オブザワールドです。もっと評価されても良いと思うし、私は、贔屓目なしに、いちばん面白いと思っています。

 

大事なことなのでもう一度。

私は、空転軌道がいちばん面白いと思っています。

 

私が行ってない現場で、違う編成があったようですし、以前のメンバーとかもいるようです。単独公演もあったみたい。私の知らない空転軌道のことはわかりかねるのですが、知ってる空転軌道はこんな感じです。

 

ジャグリングの用語を一切知らない人が、ジャグリングのプロ集団の空転軌道について書く、という難題を、ついにクリアしました。色々あって、3ヶ月かかりました。私からは以上です。

 

おわり。

 

 

▽追記

せっかくなので、関係ありそうなリンク貼っときます。

○空転軌道公式HP

https://www.kuutenkidou.com

○空転軌道公式ツイッター

空転軌道 (@kuutenkidou) | Twitter