ぐうぜんのきろく

好きな音楽とひとの話

サブスク反対派の私がApple Musicを始めたら日常が激変したという話。

 

10月13日に、Apple Musicを始めた。

 

私はサブスク反対派である。発売日前日、フラゲ日にタワレコTSUTAYAに足を運び、新作CDを買い、わくわくしながら家に帰り、歌詞カードを開きながら聴く音楽こそ、素晴らしいと思っているからだ。私くらいの世代が、そうやって音楽を楽しんできた最後の世代ではないか、と誰かが言っていた。好きがモノとして残ることもあって、CDにはとても愛着がある。好きが質量になることが嬉しい、だからなるべくCDを買いたい。

 

なぜそんな私が、Apple Musicを始めたのかというと、星野源が、全楽曲サブスク解禁とともにApple Musicを始めないと聴けないラジオのコンテンツを出しやがったからである。

8月30日、ファンの間でとても大きな出来事だった。

めちゃめちゃ聴きたかったけど、ラジオだけなので我慢できていた。そこからひと月半ほど我慢できていたのだが、新曲『Same Thing』の独占先行配信が始まった。これもしばらく耐えていたのだが、配信日の前日に、聴きたくて聴きたくて、耐えきれなくなって、Apple Musicを始めてしまった。焦らされた末に、前日に起こしてしまった突発的行動。『Same Thing』は最高だし、ラジオでは星野源が話す英語を聞けて最高だった。そしてふと我に帰り、しまった、サブスクを始めてしまった、と後悔した。とはいえ3ヶ月間は無料だし、多分続けないだろうけど、とりあえず3ヶ月は使ってみよう、とApple Musicとの生活が始まった。

 

始めてまず、ずっと気になっていたアーティストの曲を沢山ダウンロードした。King Gnu、ずっと真夜中でいいのに。、Tom Misch、STUTS、YELLOW MAGIC ORCHESTRA、などなど。星野源に関わりのあるアーティストや、友人が好きで聴いてる音楽も入れてみたりした。

ライブラリに並んだそれらの曲を聴きながら、歌詞を見ていたら、CDを買って聞いた時のワクワクと極めて似たものを感じた。この時、私は今までなんて愚かな考えをしていたんだと反省した。CDというものに固執していたんじゃなくて、私は、音楽というものに固執していたんだと。新しい音楽を聴けることにワクワクしていたんだと気付かされた。

そう考えると、Apple Musicには無限のワクワクが詰まっている。垣根の無い音楽にゾクゾクが止まらなくなった。

 

とはいえ、本当に好きなアーティストはApple Musicで済まそうなんて思っていないので、CDを買いに行くことは続けている。やっぱり好きなアーティストが作ったモノは、大切に、部屋に置いておきたい。

 

ここで提唱したい。

"CD世代こそ、サブスクを始めるべきだ。"

昔、お店にある試聴機で、知らないアーティストのCDを聴いたときのドキドキした気持ちだったり、ふと街中で流れている音楽を探し当てたときの嬉しさだったり、そうゆう経験をしてきたはずだ。少なくとも私は経験した。サブスクでは、それらが全てスマホの中で完結する。なんだか寂しいようだが、これがめちゃめちゃ楽しいのである。前述のドキドキや嬉しさが倍速以上の速度で進む。楽しくないわけがない。

 

街を歩いていて、ふと聞こえた気になる音楽を、歌詞を打ち込んだり、Siriに聞いたりして、曲名を調べ、Apple Musicでダウンロードしてフルで聴く。その間3分あるかないか。このスピード感が、たまらなく良い。このスピード感にやられた。色々便利なものが増えてきた世の中だから、使っていかなきゃ損だなとすら思い始める。知らないアーティストの曲を聴くのも容易だし、勧められた音楽を聴くハードルも下がる。音楽チャンスを逃さない。

 

Apple Musicを始めてからというもの、急に音楽への姿勢が変わって、広くさまざまなアーティストを聴くようになった。今まで、特定の好きなアーティストを深く深く、ということが多かったが、最近はあのアーティストのこの曲、など、ピックアップして聴くようになった。イヤホンから流れる音楽が、ずっと同じアーティストではなくなった。音楽が豊かになった。そして、沢山の音楽に彩られ、生活も豊かになった。あと、いろんなメッセージ性のある歌詞を聞いて、いろんな考え方ができるようになった気がする。これは、もしかしたら、気のせいかもしれないけど。

 

良いアーティストを見つけたい、良い曲を知りたい。最近はずっとそんなこと思いながら音楽を聴き漁っている。そうゆうのを見つけるのが上手い友達がいて、凄いなといつも感心する。その友達が教えてくれるアーティストが最高なんだよな。いつか私からも教えてやりたい。

 

Apple Musicの、個人的に好きな使い方は、なかなか眠れない夜に、「眠れない」で検索をかけて、謎の睡眠導入音楽を流しながら寝ることである。知らない謎の睡眠導入音楽ほど眠れるものはない。爆睡します、おすすめです。

 

Apple Music、私は、私の使い方には、月額980円の価値があると思った。膨大な曲数を、フルで視聴できる機会の提供費用、という考え方をしても、この値段の価値はある。無限の可能性を与えてくれる。

無料期間を終えた後も、続けてみることにする。