ぐうぜんのきろく

好きな音楽とひとの話

"マジックを観に行くハードルが高い"ことに関する考察。

目次-----

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1.はじめに

「マジックを観に行くハードルが高い。」という話をよく耳にする。私自身も未だにそうだと思っている。行ってみればなんともないのだが、行くまでに結構なハードルを感じている。何がそう思わせているのか。マジックを観に行くハードルの高さについて、考えてみようと思った。因みに、私は一般的な人間より怖がりな人種なので、色々な、些細なところにハードルが現れる。

ただ、まだマジックを見始めてそんなに経ってないので、詳しくはわからない状態であることを承知の上で、読んでもらえるとありがたいです。

 

2.観れる場所

私たちがマジックを観れる場所は、マジックバー、マジックライブ、ショッピング施設、大道芸、地域のイベント、稀に居酒屋と、様々な場所がある。場所によっては、マジックを観に行くハードルは低いが、低いものほど出会う頻度が少ない傾向にあると思う。

 

3.考察

それぞれの場所に関して、意見と考察を述べる。

 

3-1.マジックバー

マジックを観に行く場所の中で、いちばんハードルが高いと思っている。

  • まず勝手がわからない

初めて行く場所なのだから、勝手がわからないのは当たり前の話であるが、なんかもうちょっとわかる手掛かりが転がっててもいいと思う。ふわっとしすぎだと思う。ホームページから飛べる、詳しい来店体験談とかあったら嬉しいんだけどな。

  • ホームページのわかりづらさ

ばりわからん。写真載せてスタイリッシュにしたいのはわかる、わかるんだけど、大事な情報が追いやられている。それか、散らばっている。行きたいのに必要な情報引き出せない。阿部寛のホームページを少しは見習って欲しい。

テーブルホッピングがあるように書いてあるけど、ほとんど遭遇したことない。忙しい日に行ってしまっているからか。それはすまんと思う。あれ、あっちのテーブルではやってるんだけどな。

  • 料金体系のわかりづらさ

○○プラン5000円!みたいなあの感じめっちゃ怖い。5000円払って何が観れるの、ドリンクやチャージ料は別に必要なの、なに、本当に5000円だけ持ってけばいいの。という疑問ばかりになる。せめて、5000円でステージショーと飲み放題つくよ!、それ以外はここ"居るだけ"では発生するお金ないよ!、ぐらい強く言ってくれてもいい話だと思ってる。

  • 閉鎖的な空間

ビルの一室とかめっちゃ怖い。何か起きても逃げられないんじゃないかと思う。そもそもマジシャン、騙す側の人たちだから、なんか怪しいなと思うのは当然のことだと思う。マジックって雰囲気作りが大切、わかる、わかるよ、たしかに雰囲気ある方がマジックやりやすいよね、気持ちが作られるからね、こちらもマジックが魔法に見えちゃうよ。とはいえ怖いなって思う。知らないマジシャン信じきれない。

  • バーという形態

気付いたんです私。そもそもバーという場所、怖くてほとんど行ったことがない。誰かの行きつけのバーぐらいしか行ったことない。静かな場所でお酒飲むのがそわそわしちゃって無理だ、雑音まみれの大衆居酒屋が好きです。

  • キメキメのキャスト

ホストなんだよなぁ。かっこいいんだよなぁ。かっこいい人が、優しいわけないと思っちゃうから、苦手なんだよなぁ。なんか居づらくなる。顔に騙されないぞ!って気持ちになってしまう。

 

もうハードルに次ぐハードル、私、マジックバーにフランクに行くの難しいです。とはいえ、一度越えれば、もしくは誰かに越えさせてもらえば、ハードルは一旦なくなるので、また行きたい気持ちがもりもりと大きくなっていく。キャストと顔見知りになったら、めちゃめちゃ通っちゃうかもしれないな。

ただ、一度どこかで観たことがあるマジシャンが出演してたら、そもそものハードルはぐっと下がるものだと思う。たとえば、「○○に××さん出るって!見たい!行こう!」の強い好奇心はそんなハードルなど、倒しながら走れる。なので、マジックバーは、誰かを好きになってから行く場所、でも良いのかもしれない。

 

3-2.マジックライブ

マジックライブにも2種類あると思う。劇場タイプと、少人数タイプ。

  • 劇場タイプ

劇場タイプはとてもハードルが低いと思う。自分の椅子が、必ず用意されているんですよ。私がその場所にいて良いという証明、いつもありがとうございます。ひとりの人もたくさんいるから居心地も最高。ぼっちである、という悲しみに打ちひしがれることもない。大きい空間でいつでも逃げられるし、そもそもマジシャンとの関わりはステージの上とだけなので、なにも怖いことはない。あ、客上げ探しに来たどうしよう震える。上げられたい人、オススメは綺麗めな格好して通路側です。人によっては、目が合った瞬間逸らすのも良いと思います。

  • 少人数タイプ

ちょっとハードルが上がる。なんとなく、ふたりで来る人が多いように感じて、やっぱり私は、ぼっちであったと認識させられる。ぼっちと複数人の比率が、急に変わる気がする。マジシャンと、ほぼほぼ対面で関わることになる。緊張する。大概、最前列がみんな客上げされる。震える。とはいえ自分の席は必ずあるので、そこだけは安心。あ、うそ、いつのまにか腕時計にコインが。

 

席があるという点でものすごい安心感がある。行かないと、ひと席開けてしまうという責任感から、入り難くても絶対に中に入る。入ってしまえばこちらの勝ちです。win。

 

3-3.ショッピング施設

ショッピングモールがマジシャンを呼んで、ステージショーを企画してる場合。ここがいちばんマジシャンを見るハードルが低い。他と違って、見ても見なくても良いし、見方も自由だし、お金も一切かからない。ショッピング施設を会場として使ってる大道芸とは、また別の話ね。

ただ、そのショッピング施設で、お買い物はしていこうね。急に売り上げが伸びたりしたら、また呼んでくれるかもしれないから。

とはいえ、これは頻度がとても少ない。ステージ系に力を入れてるショッピング施設であっても、マジックだけ切り取ると、月一回、あるかないかくらいである。因みに、私の家の近所のショッピング施設のステージは、一度も使われてるのを見たことがありません。正直そうゆう所、結構あると思う。

 

マジックの質の話をすると、子供達も見るような場所なので、本気の本気、みたいなマジックは見れないことが多い。遠くからでも見えるような大きな道具を使って、なんというか、大衆的なマジックというか、"見たことあるやつ"なことが多い。マジック好きほど、満足できないことが多いように思う。一方、こどもや、マジックを初めて見るひとにはめちゃめちゃウケがいい。テレビで見たやつが、生で観れるなんて!みたいな感動。最高。

マジックを見る始まりはこの、ショッピング施設のステージ、がとても良いんじゃないかと考える。偶然、ステージで見たマジックに興味を持って、マジシャンを志すこどもや、マジックにハマる人々が量産されれば良いなと思う。

 

3-4.大道芸

大道芸も見るハードルは低い。ただ、どこかに向かって歩いている足を止めて見る、ということが、なかなかできない人もいるみたいなので、低いとは言い切れないのかもしれない。大道芸は、最後にお金を払わなきゃ"いけない"もの、と思うためか、すぐ去ってしまう人もいる。食い入って見るこどもを引きずって帰るひとも。事実だけ掬うとその通りだけど、これは気持ちの問題だと思っている。応援したい人か、したくない人か。

大道芸人には、マジックを主にして活動する人がいる。大道芸はいつでも、あらゆる場所で観れるが、大道芸フェスがいちばん行きやすいと思う。たくさんの場所で開催されているので、きっとあなたが行きやすい場所でもやっている。

屋外でのマジック、天候によるハプニングもつきものだが、このライブ感がたまらなく良い。本当に本当の目の前、会話できるくらいの距離感の中、見るマジックはゾクゾクする。これに関しては、マジックの質とか関係ない。かもしれない。こんな近くで、このライブ感で、くそやばいマジックを見てしまった日には、この世に魔法使いは存在すると確信することになる。

大概が屋外なので、応援するお気持ちは、飛ばないように折りたたんで入れるのが良いと思います。

 

3-5.地域のイベント

いいなーと思う。これ。アットホーム感の中で観れるから、怖くないのでハードルが低い。地域住民なら家族で観れるしね。でも、マジシャンがぞんざいに扱われてるの見るとおこです。たまに雑なときあるよね。たまにね。ただ、このケースはレアなのでほぼ見れないです。うちの市でパフォーマー呼んだことあったっけな。

質の話は3-3.と同じぐらいだと思います。

 

3-6.居酒屋

ごく稀に、テーブルホッピングといって、パフォーマンスしながらお客さんの机を回ってる人を見かける。これはまだ見かけただけで、対面したことがなく、正直な話わからない。向こうからやってくるのだろうから、ハードルはものすごく低いと思う。楽しさは話のうまさや技のうまさもよるのかな、きっと。でも、あまりいい話を聞いたことがない。修行の場って感じ?

某のれん街とかで、流しのパフォーマンスやってるみたいだけど、そこにマジシャンもいるんだろうか。これは私もまだわからない世界です。

 

4.総括

マジックを観に行くハードルって、場所を選べばそう高くはないのではないか?と思った。大道芸をよく見る私にとって、ハードルが高くて行きにくいのは、マジックバーと、少人数制のマジックライブだけだった。これらは、好きなマジシャンが出てなければ、よっぽど行くところではないから、実は一般的に、マジックを観に行くハードルは低いんじゃないか、という考察すら生まれてきた。ひとつひとつ段階を踏んでいくのが良さそう。

テレビやTwitterなどで、好きなマジシャンができて、そのひとを追いかけてたら、どんどん深いところへ、ずぶずぶと。そして、知識が広がると、きっとマジックバー、マジックライブにも通うようになる。これは自然の摂理なので、私たちに抗う術は残されていない。マジックはハマったら最後なのである。

 

5.おわりに

マジックに興味を持ったら、いろんな人のマジックを観て欲しい。同じ現象が起こるマジックでも、魅せ方は十人十色、みんな違うマジックなのです。好きなマジシャンが溢れてくると、好きな魅せ方を持つひと、好きな技術を持つひと、魔法みたいなマジックを使うひと、好きな話し方をするひと、好きな顔のひと、など、いろいろ生まれてきます。同じマジシャンという括りにしたくないほど、豊かな文化が発展しています。

マジックを観て泣くことだってある。マジックには無限の可能性があります。

私は奇跡のようなマジックが好きです。奇跡のようなマジックをたくさん観たいです。なのでどうか、マジシャンの皆様、ひとりも余すことなく期待しています。マジックの文化全てに、期待をしています。