ぐうぜんのきろく

好きな音楽とひとの話

【架空ブログ】京都ひとり旅をした30代独身OLの話。前編

 

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こんにちは。

 

コロナウイルスで世界が震撼していますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 

コロナウイルスの影響で、「京都の観光地がとても空いているらしい」という情報をTwitterで見かけて、これはチャンスでは?と、京都弾丸旅行、行ってきました。

 

基本的に土日がお休みなので、観光地が空いている時に旅行など、有り得ないのです。

 

どうせ休みの日は家でひとりなので、どこで過ごしてもひとりなのは同じ。

 

30代独身、良縁祈願の旅へ。

 

前日残業した疲れもあってか、10時ごろに目が覚めた。ゆっくりと支度をし、13時東京駅発の新幹線に乗り込む。15時過ぎ、京都駅着。

 

京都駅に着き、昔、大学生の頃付き合ってた3歳上の彼と来たなぁ、などと懐かしみながら、去年、彼のFacebookを見たら、最近産まれたのであろう娘の写真ばかりになっていたことを思い出した。思い出したくなかった。私の見えないところで、幸せになってくれ。

 

寺社巡りを目的としている割には、やや遅い時間に着いてしまった。急ぐものではないし、もう今日は行くのをやめようと、河原町に取ったホテルへ向かう。

 

ホテルに着いたら、ちょうど家族連れがチェックインをしていた。お父さんの肩から覗く赤子と目が合う。そのとても澄んだ瞳に、星野源の『時よ』の一節が頭をよぎる。

 

"その瞳から生まれた恋が全てを繋ぎ今もここにいるの"

 

私は繋げられるのだろうか。源さんのことは、逃げ恥で知り、ファンになった。とても素敵な詩を紡ぐ人だなぁと思っている。

 

そんなことを思いながら微笑んだら、目を逸らされてしまった。いつか私も子供が欲しいなと思った。

 

チェックインし、部屋に入り、ひと息着く。

 

今から何をしよう、と、スマホで観光情報を見ていたら、古着屋さんが沢山ある通りが近くにあるらしい。古着にはそんなに興味があるわけではないが、服を見て回るのは好きらしい。サコッシュに財布を入れ、スマホを片手に向かう。

 

御幸町通りを歩いてみる。確かに古着屋さんが沢山あった。右も左も、ちょっと歩けば次の店が現れる。数件入ってみたが、あまりピンとこなかった。店先が可愛く入ったお店で、三つ編みの可愛い店員さんに話しかけられた。ここはリメイク古着のお店らしい。

 

店員さん「古着屋巡りですか?」

 

別にそれが目的ではなかったが、頷く。

 

この辺は古着屋さん多くて、となりの通りにもあるけど、通な人はこっち来るんですよ、と教えてくれた。初心者、通から入ってしまった。

 

奥にあったアクセサリーの棚が気になった。あまり見ないような、変わったアクセサリーが多く、とても可愛いなと思った。あいにくピアスは開いていないのだが、気に入ったものをひとつ購入したら、それに気づいた店員さんが、イヤリングに付け替えてくれた。お店が空いてるからやってくれたみたい。ありがたい。付け替えてくれてる間にも沢山話をしてくれた。早速、嬉しい出会いがあった。明日も来ちゃうかもしれない、と言って店を後にしたが、行くことなく帰ってきてしまった。また京都に来たら行こう。

 

なんだか買い物に満足し、歩き疲れたので、目に入ったドトールコーヒーに入る。沖縄黒糖ラテと、ジャーマンドッグ。なんだか沁みるなぁと思ったら、気付けば今日初めての食事だった。ひとり旅だとご飯を食べることを忘れてしまう。きっと京都らしい食事はできずに、終わるんだろうなぁ。

 

買ったイヤリングを早速付けた。気に入ったものを身に付けると背筋が伸びる。新しい気持ちで店を出る。

 

そういえば、がま口の小物を扱う、好きなブランドのお店が祇園にあったなと思い出し、調べて向かう。歩いて結構かかったが、京都の街並みはずっと歩いても飽きない。ずっとまっすぐ歩くと、八坂神社が目の前に現れ、明日絶対ここに来ると心に決める。

 

そして突き当たりの交差点を右に折れ、目当てのお店へ。ここのお財布をここ数年ずっと使っているのだが、古くなってきたし新しいものを新調することにした。柄で悩んでいたら、眼鏡をかけた店員さんが奥からいろんな柄を出してくれた。あいにく出してくれた中に気にいるものはなく、最初に目に付いたものにした。白っぽいから汚れやすいかな、とも思ったが、気に入ったものを使うことにした。背筋が伸びるから。

 

店を後にし、ホテルに戻りつつ街中を散策する。八ツ橋のお店だったり、和雑貨のお店だったり、京都らしさをしみじみと感じられた。通りのデパートに入り、目に付いたブランドで、普段はつけないような赤い口紅を買った。人生に気合いを入れようと思った。

 

ホテルに戻り、ひとり旅だけど、わりあい人と喋った日だったなぁ、と思いながら、スマホのアラームを設定し、眠りにつく。

 

 

<後編へつづく>